1. 脆弱性の概要
2026年10月21日、PHP 公式(CNA)と Wiz Research は、PHP コアエンジンに存在する、メモリ安全性に関する 2 件の重大な脆弱性を同時に公表しました(業界では総称して PHP2Shell)。両者は根本原因が同一です。PHP はリクエストが致命的エラー(特にメモリ枯渇 OOM)で異常終了した際に内部状態を正しくクリーンアップせず、解放済み/未初期化のリクエストメモリを指す状態が残留します。同一ワーカーの後続リクエストがこの残留状態を読み取る、または依存すると、リクエスト間の Use After Free となり、制御可能なメモリ破壊へと発展し得ます。その結果、認証なしでのリモートコード実行(RCE)に至る可能性があります。
2. 危険度
| 項目 | 内容 |
| CVSS v4.0(PHP CNA、2 件の CVE は同評価) | 9.2 / CRITICAL(AV:N/AC:H/AT:P/PR:N/UI:N/VC:H/VI:H/VA:H) |
| 影響を受けるバージョン | PHP 8.2 < 8.2.35、8.3 < 8.3.36、8.4 < 8.4.27、8.5 < 8.5.12(2 件の CVE で共通) |
| 修正バージョン | 8.2.35 / 8.3.36 / 8.4.27 / 8.5.12(コミット 3584a98bda、同一の修正で 2 件の CVE に対応) |
| CWE | CWE-416(UAF)/ CWE-755 / CWE-824 / CWE-1325 / CWE-1419 |
| 悪用の難易度 | CVE-2026-109618 は mod_php に対しては比較的低い(未認証の HTTP リクエスト、デフォルト設定、アプリケーションコード実行前)。CVE-2026-109619 は比較的高い(OOM の致命的エラーの誘発、同一ワーカーでのリクエスト間ヒット、メモリレイアウトへの適合が必要)。AI の支援により、適合に要するコストは数時間程度まで低下している |
3. 影響状況
WPS 365では一部の機能で PHP 技術スタックが使用されていましたが、関連する脆弱性の修正は完了しており、現在は本脆弱性の影響を受けません。
4. 対処に関する推奨事項
現時点で緊急の対処は不要です。本脆弱性は現在の環境では発動させることができず、即時のセキュリティリスクは存在しないため、これ以上の対処は必要ありません。
5. お問い合わせ先
ご不明な点やさらなるサポートが必要な場合は、担当営業までお問い合わせ頂くか、またはお問い合わせフォームよりご連絡下さい。
https://www.wps365.jp/support/contact
今後もお客様のデータセキュリティと製品の安定的な運用に万全を期してまいります。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
WPS株式会社
2026年10月23日